改正雇用保険法、改正育児・介護休業法等が成立しました
雇用保険法、職業安定法など労働関係の4法を一括改正する改正雇用保険法等が、3月31日の参議院本会議で原案通り可決、成立しました。
改正法の概要は以下の通りとなっています。
(1)失業超給付の拡充
①リーマンショック時に創設した暫定措置を終了する一方で、雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する暫定措置を5年間実施する。また、災害により離職した者の給付日数を原則60日(最大120日)延長できることとする。
②雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施する。
③倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者の所定給付日数を引き上げる。
④基本手当等の算定に用いる賃金日額について、直近の賃金分布等を基に、上・下限額等の引上げを行う。
⑤専門実践教育訓練給付の給付率の引き上げ(最大60%→70%)
⑥移転費の支給対象に、職業紹介事業者(ハローワークとの連携に適さないものは除く。)等の紹介により就職する者を追加。
(2)失業等給付に係る保険料率及び国庫負担率の時限的引下げ
保険料率及び国庫負担率について、3年間(平成29~31年度)、時限的に引き下げる
(保険料率は0.8%→0.6%に引き下げ)
(3)育児休業に係る制度の見直し
原則1歳までである育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合等に限り、2歳までの再延長を可能にし、育児休業給付の支給期間を延長。
(4)雇用保険二事業に係る生産性向上についての法制的対応
雇用保険二事業の理念として、「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする」旨を明記する。
(5)職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化
①1. ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人を対象に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とする。
2. 職業紹介事業者に紹介実績等の情報提供を義務付ける。
3. ハローワークでも、職業紹介事業者に関する情報を提供する。
②求人者について、虚偽の求人申込みを罰則の対象とする。また、勧告(従わない場合は公表)など指導監督の規定を整備する。
③募集情報等提供事業について、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針で定めることとするとともに、指導監督の規定を整備する。
④求人者・募集者について、採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける。
(6)施行期日
平成29年4月1日
ただし、(1)の④は同年8月1日、(3)は同年10月1日、(1)の⑤、⑥、(5)の②、③、④は平成30年1月1日、(5)の①1.は公布日から3年以内の政令で定める日
詳細は下記URLにてご確認ください。
【厚生労働省】
平成29年雇用保険制度の改正内容について